セラミックフォーラムは、SweGaN社の提供する、主に「光電子移動度トランジスタ(HEMT)」向けのエピウエハを取り扱っています。
QuanFINE™構造は、GaNとSiCのハイブリッド材料というコンセプトに基づいて構成されており、薄層GaNの高い電子速度とバルクSiCの高い絶縁破壊耐性を組み合わせたものです。SweGaN社の画期的なホットウォールMOCVDプロセスによって実現され、高周波・パワートランジスタのどちらにも適していることが示されています。
高周波応用の観点では、QuanFINE™はバッファ層のないHEMTヘテロ構造となっており、AIN核形成層が実効的な背面側バリア層として機能します。そのため、薄いGaNチャネル層(<250nm)内の電子は、表面側と背面側のバリア層が形成する量子井戸的な構造にしっかりと閉じ込められます。
パワー応用の観点では、QuanFINE™は従来の厚い炭素ドープGaNバッファ層よりもはるかに高品質・高抵抗な半絶縁性SiC基板を電圧ブロッキンッグ層として使用しています。さらに、この構造はほぼ完璧なGaN-SiC界面の効果により、高水準の温度管理を実現します。
詳細は次のリンク(https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5042049)をご参照ください。
SweGaN社独自の高移動度成長プロセスを使用することで、従来のエピウエハと比較して20~30%高いチャネル電子移動度を達成することができます。チャネルのヘテロ接合は概して原子的に急峻です。HEMTヘテロ構造の表面モルフォロジーは0.2 nmの低い粗さを示し、ピットや欠陥もわずかしか含みません。この最高水準の移動度により、高効率・高動作周波数のトランジスタを実現することができます。
SweGaN社の高温プロセスによって成長したGaNとAlNのエピタキシャル層は、極めて優れた構造品質を示します。GaN層の典型的な貫通転位密度は108 cm-2台前半のオーダーであり、AlN核形成層は結晶粒界を含みません。この構造品質はGaNの安定性を保証するだけでなく、構造欠陥に由来するデバイス故障のリスクを劇的に低減します。
従来のGaN–SiC界面における界面熱抵抗(TBR)は、トランジスタのチャネル層の温度上昇を40%も増加させる要因となっています。SweGaN社は、界面熱抵抗の極めて低いAlN核形成層を使用することで、この温度上昇の増加を無視できるレベルにまで減らすことに成功しました。薄いAlN核形成層の傑出した構造品質は、チャネル層から高熱伝導率SiC基板までの熱の輸送を大幅に改善します。これにより、RF・パワーデバイスが抱える最大の困難の一つである信頼性の問題に対処することが可能になります。動作温度が25 °C低くなることで、デバイスの寿命は10倍に改善されます。
GaN-on-SiC HEMT heterostructures
最新技術を用いたカスタムメイドのエピタキシャルウェーハのスウェーデンメーカーで、主に「光電子移動度トランジスタ(HEMT)」向けのエピウエハを取り扱っている。
Linköping大学およびChalmers技術大学と連携し、GaN on SiCのデバイスの開発に取り組んでいる。